怒りや悩みが消えない人は読んでみて!「『つい悩んでしまう』がなくなるコツ」

つい

 

目次

『嫌われる勇気』の4年前に出版されていた本

 

昨夜からフジテレビ系列で『嫌われる勇気』がドラマとして放映されました。本とはまったく別物になっていましたが。

 

この本が出版されたのは2013年12月。今から4年前です。瞬く間にベストセラーとなり、『アドラー心理学』の名を世に知らしめるものとなりました。

 

でも、今回、この記事で紹介するのはこの本ではありません。『嫌われる勇気』の初版出版からさかのぼること4年、2009年に出版されたこの本です。

 

 

『つい悩んでしまう』がなくなるコツ

 

どう見ても女性を対象に書かれている本ですよね?タイトルもそうだし、デザインもそう。

 

でもこれを買うくらいですから、当時のわたしは相当悩んでいたのです。というかいつも何かに悩んでいるような人間だったのです。ささいなこともあれこれと、キリがないくらいに。

 

悩みなんて誰でもあるよ、と思われるかもしれません。人間生きてりゃ悩むことはある。それはもちろんその通りでしょう。

 

でも、わたしの場合はちょっと普通じゃないところがあるのです。

 

怒りの気持ちが消えない

 

少し長くなりますがお話します。この本を買った頃の話ですからもうずいぶん前のことです。

 

当時、わたしは営業職に就いていました。お客様の家を直接訪問し、商品を販売する仕事です。

 

ですので仕事は外回りが基本なのですが、その会社は店舗も持っていましたから、お客様のほうからご来店になることもありました。

 

ある日、わたしが営業で外出しているときに、店に初めてのお客様が見えました。そのとき、たまたま店にいた同僚が受注の対応をしました。

 

でも、どうやらその仕事は、手間がかかるわりに数字のあまり見込めない内容だったようです。それは後で分かったのですが。

 

でも「店頭で受注対応をした人がその仕事にあたる」というのが当時の慣例でした。この場合は当然、その同僚です。

 

にもかかわらず、彼は、わたしが外出から戻ってくると開口一番、言ったのです。

 

今日受注した件だけど、俺はちょっと今いろいろ忙しくて大変だから、Y(ぼくのことです)にまかせるよ。

 

え?と思いました。まかせる?

 

外出から戻ってきたばかりで何も知らされていなかったわたしは、具体的な内容が分かっていませんでした。その瞬間、心の奥底ではかすかにイヤな感じを抱いたのですが、でも、同僚であるソイツが頼むんだからやってやろうと、その時は承諾してしまったのです。「あ、ああ、分かった、いいよ」

 

でも、事の経緯がくわしく分かってくるにつれ、やはりその件は同僚がやるべき仕事であることが分かってきました。

 

わたしは次第にムカムカしてきました。もちろん、目の前の同僚に対してです。

 

コイツは自分で受けたくせに、割に合わない内容であることが分かると、外から戻ってきたばかりのわたしにその仕事を押しつけたのです。

 

このヤロー…と内心思いました。でもさっき承諾したのは自分ですし、今さら文句を言えた筋合いではありません。少なくともこのときはそう思いました。

 

それにこの仕事だって自分がお客様に直接会って話を聞いたわけではないですし、ひょっとしたらいい仕事なのかもしれない。やってみたら数字も上がる仕事かもしれない。

 

ものごとはいいほうに考えなきゃナ、と無理に前向きに考えようとしました。それに他にもやらなければならない仕事はあるわけだし、このことだけを考えてもしょうがない。気にしない、気にしない———

 

でも、そこからが大変でした。気にしない、なんてことはムリでした。

 

それからずっとそのことが頭の中に居座り、何をやっていてもムカムカが消えないのです。仕事をしていても、電車に乗っていても、家に帰っても、食事をしていても。

 

何をしていても今日のことが思い出されてくる。同僚の虫のいい行動が思い出されてくる。自分がやりたくないもんだから、体よくわたしに押しつけた同僚の顔が思い浮かんでくるのです。

 

その頃にはムカムカを通りこして、ハラワタが煮えくりかえるほどの怒りになっていました。

 

頭の中でいくら追い払おうとしてもその怒りは消えません。消えないどころかますます強くなってきます。

 

そしてしまいには夜、眠っていても、ちょっとでも目が覚めたら最後、またもやその気持ちがワラワラとわいてきて、真夜中にもかかわらず、心の中は怒りでいっぱいになるのでした。

 

そして、オレは今こんな目にあっているのに、当のアンニャロは今ごろ高いびきかいてんだろナ、と思うと歯ぎしりで歯がくだけんばかりの怒りに身体がフルえてくるのです。

 

こうなるともう眠るどころじゃありません。布団の中でギラギラと怒りをたぎらせていたのです。

 

もう身体の具合いまで悪くなってしまいそうでした。

 

なんで?

 

なんでこうなるの?

 

オレが何か悪いことしたのか?

 

どうしてオレがこんなに苦しまなきゃならないんだ?

 

うぬおぉおぉおぉおぉおぉっっっ!!!

 

本当に気がどうにかしてしまいそうでした。

 

白々と明るくなってくる窓を見ながらわたしは決心していました。

 

この苦しみから脱する方法はひとつしかありません。

 

同僚に、あの件はやっぱりやらない、と言うのです。これしかありませんでした。

 

次の日、朝起きて、食事して、電車に乗って、会社に着くまで、ずっと怒りをガマンしていました。

 

会社についたら同僚に言ってやるつもりでした。

 

オレはやらない、と。

 

満を持して事務所に入ったら、

 

その同僚は休みでした。

 

ぬおぉおぉおぉおぉおぉっっっ…!!!

 

休みかよ!

 

いないのではしかたありません。その日は昨日の夕方からと全く同じような気持ちで過ごしました。もちろん、夜も同じです。

 

翌日、目を真っ赤に血走らせながらわたしは言いました。

 

おとといの件だけど、やっぱりオレはやらない。

 

2日分の怒りがこもっていましたから言い方も無愛想です。誰が愛想よくなんてできるかい!

 

同僚は、え?という顔をしていました。マジかよ?という表情が浮かんでいました。でも言い返してはきませんでした。本来は自分がやるべきことであることが分かっていたからでしょう。

 

こうしてわたしはやっと安眠を得ることができました。

 

でも、もしあのままだったらと思うとぞっとします。間違いなく精神を病んでいたでしょう。

 

悩みの連鎖

 

これは特別なことではありません。日常から同じようなことはあったのです。

 

その同僚を含め、誰かに思わずムッとするようなことを言われた場合。

 

瞬間、思うのです。あ、ひょっとして今オレ、イヤなこと言われた?と。

 

でも思いをすぐ口にして出すという行為がヘタなこともあり、その場は流してしまうのです。意味もなくヘラッと笑って、気にならない素振りをしてしまうのです。

 

でも頭の中に残ったそのひとことは消えません。

 

どれだけ時間がたっても心に怒りの気持ちをばらまいていきます。

 

何をしていても振り払えません。

 

先の件と比べると、いくぶんささいなことであっても、解決の方法がないだけに根は深いのです。

 

何日も、何日もムカムカ、イライラと向きあわなければなりません。

 

自分が疲弊するばかりでした。

 

なぜそんなことになってしまうのか?

 

なぜいつまでも悩み続けなければならないのか?

 

そうやって疲れ果てていたときにこの本を手に取ったのです。

 

読んでみて

 

読んですぐに、ストンと腑に落ちるようなことが書いてあるのが分かりました。

 

なぜいつも悩みをかかえてしまうのか。なぜいつもイライラムカムカから解放されないのか。

 

心の中で不満を抱きながらも、黙って相手に従ってしまう。

 

その行動パターンこそが悩みを作り出している、とこの本は教えてくれたのです。

 

そしてさらに読み進めていくと、本当に驚くようなことが書かれていました。長いのですが引用させていただきます。

 

同僚のほうに目を向けると、確かに、同僚の思いやりのなさが、こんな問題を引き起こしているとも言えるでしょう。
でも、その関係を成立させているのは、その同僚だけでしょうか?
違いますね。
この事例で言えば、押しつけがましい同僚に対して、「心の中で不満を抱きながら、黙って従っている自分」がいます。
しかも、何もなかったように平気な顔をして。
つまり、傷ついているのに、「傷ついていないふりをする私」がいるのです。
あなたにとって、相手のことよりも、こちらのほうが、より重要なのではないでしょうか。

 

これは本文をそのまま引用しています。でも不思議なくらい、自分の状況に酷似していました。まるで自分のことを言われたようでした。

 

あの時も、本心ではやりたくないと思ったくせに、同僚のコイツが頼むんだから、やってあげたほういいか、と自分の気持ちをおし隠して承諾し、結果、イヤな気持ちを抱えたままその後の時間を過ごすことになったのです。

 

考えてみれば、わたしがムカムカに陥るパターンはだいたいいつもこうでした。

 

「相手の言動」のほうに目を向けてしまうのを、「自分中心心理学」では”他者中心”と呼んでいます

 

そのときに断われない。

 

本当はイヤなのに、本当は行きたくないのに、本当はやりたくないのに、相手の言われるがままに行動し、結局モヤモヤを抱えてしまう。

 

だとしたら、相手に変わるように求めるよりも、自分のために、自分を育てるほうが、悩みを解消する早道だと思いませんか?
これが”自分中心”の発想です。

 

”他者中心”ではなくて、”自分中心”で生きていいんだよ、とこの本は明確に教えてくれます。

 

でも”自分中心”とはどういうことなの?

 

何をもって”自分中心”と判断できるの?

 

その答えもズバリ書かれています。

 

あなたがそれを選択した結果、あなたがそれに満足していれば、誰が何と言おうと、あなたにとって、それは適切です。
逆に、あなたがそれを選択した結果、あなたがそれに不満足であれば、誰が何と言おうと、あなたにとって、それは不適切です。
自分中心”になって、「私の気持ち感情、そして意思」を基準にする。
確信を持って言います。これだけで、いいのです。

 

わたしは男です。これを読んだときは40をすぎたくらいの年でした。今よりは若かったですが、いいオジサンに違いありません。

 

でも恥ずかしながら白状しますが、わたしはこの文章を読みながら思わずがあふれそうになりました。

 

いいおとっつぁんが、たぶん基本的に女性を対象にした本を読みながら、泣きそうになっているのです。

 

でもわがことながらそれは、自分があまりにも多くの悩みを抱え込んで苦しんでいることの裏返しにも思えました。このとき、いささかわたしは疲れていたのかもしれません。

 

これを読んだとき、ものすごく救われた気持ちになりました。

 

悩むのが好きなの?

 

この記事の冒頭で『嫌われる勇気』のことを引き合いに出したのにはワケがあります。

 

ご覧ください。

 

これは『嫌われる勇気』の帯封の写真。

 

アドラー

 

この中の、『なぜ、あなたは他人の人生を生きてしまうのか?

 

これは言いかえれば、『なぜ、あなたは”他人中心”の人生を生きてしまうのか?』と同じではないでしょうか。

 

そしてこれは今回の本の帯封です。

 

 

どうでしょうか?

 

なぜ、あなたは劣等感を克服できないのか?』は、

 

不安や恐れの中に解決のヒントは眠っている』に通じ、

 

なぜ、あなたは今、幸せを実感できないのか?』は、

 

”自分中心”で悩みはどんどん減っていく』に通じます。

 

『嫌われる勇気』より数年前に出たこの本が、同じようなことを示唆していたのです。

 

心理学とは、いかに人間が自分らしく生きられるかを学ぶ学問です。

 

かたや「アドラー心理学」、かたや「自分中心心理学」と、アプローチの方法は違いますが、目指しているものは同じなのです。

 

そういう意味ではこの本はもっと読まれていいと思います。

 

特に。

 

わたしのような悩むことにとりつかれている人(笑)

 

そういう人は是非一度読んでみてください。

 

いくつか引用させていただいていますが、これ以外にもまだまだ紹介したいところは山ほどあります。

 

具体的にどうすればいいかということも書かれています。

 

読むと心の負担が軽くなります。

 

 

 

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