どうして私は潔癖症なんだろう?
と思うことはありませんか?
潔癖症じゃなかったら暮らしていくのがもっと楽になるのにと感じることもありますよね。
その気持ちよく分かります。
実は私も潔癖症です。49歳の男であり、会社員であり、夫であり、父親であるのですが、しかし、潔癖症なのです。なので日々の生活はなかなか大変。
目次
潔癖症とは?
こんなこと、今さらあらためて説明するまでもないでしょうが、一応、その定義を――
『不正や不潔を嫌い、どんなものにも妥協しない完全なものを求める性格をいう』
『不潔恐怖症は汚れを過剰に気にすることであり、現実に汚れているかどうかが問題ではなく、一旦取りついた強迫観念(不潔恐怖)を納めるために、さらに汚れを落とそうとするような強迫行為を繰り返すノイローゼ(強迫神経症)の一種』
(ともにWikipediaより抜粋)
あてはまりませんか、これ?
私はドンズバです。特に後者。一度気になってしまったら洗うまでその思考を振り払えない。
たまにネットを見てみると世の中には同じような潔癖症の人が存在するということが分かります。自分と同じで面白い。あるある~とつい笑ってしまいます。皆さんそれぞれ苦労しているんですね。
ですが不思議なことにまわりにはそういう人がいません。見たことも聞いたこと会ったこともない。
たぶんそれは、私が潔癖症であることを気づかれないようにしているのと同様、その人たちも同じように行動しているからでしょう。好き好んで潔癖症であることを公にする人はいないですからね。
特に私の場合は男ですからなおさらです。そんな神経質な人間だと悟られたくない。男のくせにと思われそうでとても言えません。ああ、男はつらいよ。
ケッ癖症めが。
潔癖症であることを証明する5つの行動
今回は私の『潔癖症ポイント』を5つお話しします。
潔癖その1 やたらに手を洗う
もうこれは基本中の基本。潔癖症メンバーの必須事項です。
とにかく手を洗う回数がハンパない。
ちなみに私は接客業をしています。職場には大勢の販売員がいて、上司やその他もろもろの人がいて、毎日数多くのお客様がやってきます。人の出入りが非常にはげしい職場です。
その中で当然、いろいろなものに触れます。
商品、什器(じゅうき)、レジ、お金、共有のパソコン、書類、ファイル、ゴミ、ゴミ箱…等々。
いくらでもあります。
できれば触りたくない。
潔癖症の人によって、その優先順位、というか触りたくない順位は様々だと思いますが、私の場合、特に気になるのはパソコンです。
職場ではある特定の作業を共有のパソコンで行うことになっています。自然、そのパソコンはひっきりなしに使用されます。
まずそれがダメ。直前にどことなく不潔っぽい人や、風邪でゴホゴホやっている人が使っていた場合は最悪です。そんな場面に遭遇した日にゃ、できることなら回れ右をして去ってしまいたい。
でもそういうわけにはいかないのでしぶしぶ使います。
一番触りたくないのはマウス。もう絶対ヤです。ヤですがパソコンはマウスなしでは使えません。
なので私は右手を、野球の投手がチェンジアップを投げる時のように、5本の指を均一に開き指の先端だけを使ってマウスをつかみます。とにかくマウスと触れる部分を極力少なくしたい。
終わったらすぐ手を洗いに行きます。すぐには洗えなくてもたとえ30分たっていようが1時間たっていようが必ず手を洗います。洗わないと気が済まない。
基本、何か気になるものを触ったら必ず手を洗うということです。
ただでさえ乾燥しているこの季節、洗いすぎで私の手はガサガサを通り越して、いたるところから血さえ出てきています。
潔癖その2 ドアノブを触りたくない
会社のドアがすべて自動ドアだったらいいのに、と真剣に思います。科学の発達したこの時代に、なぜドアだけは旧態依然としたあのドアノブのままなんでしょう?
だって人を察知して止まる自動車が開発されようとしているんですよ?それどころか人が運転しなくても進む自動車まで研究されているんですよ?人工知能がプロの棋士に勝ってしまうんですよ?なのに、なぜドアは昔のままなんでしょう?なぜいまだにむんずと力を込めないと開かないドアノブばかりなんでしょう?
確かにレバー式のドアノブも増えました。あれなら少ない力――と少ない接地?面で――開けることができます。
でもすべてがそうではありません。「むんず」とつかんで「グイッ」と力を入れないと開かない潔癖症泣かせのドアノブは未だに多い。私の勤める会社も建物は30年くらい前のものなので、これがたくさん残っています。
ドアを開けないことには通れないのでやむなくドアノブに手を伸ばします。
でもそのまま握るわけではありません。
通常は全部の指でギュッと握るでしょう。でも、私の場合は違います。
使うのは親指と小指です。
なぜ小指かというと、人差し指、中指は日常生活において使用頻度が高く、仕事や食事で使うのはもちろんのこと、ふとした拍子に目をかいたり、鼻をさわったり、口に触れたりします。なので、そういう場所にダイレクトでつながる指をドアノブに触れさせたくない。
かくして日常では耳くそをほじるくらいの役割しかない小指が、ドアノブを前にして突如主役に躍り出てくるわけです。
むんず!
が、しかし、悲しいかな、小指は非力です。
親指と小指だけではノブが回らない。
やむなく薬指にも加勢してもらいます。親指と小指、薬指。この3本の指だけでノブを握り、弱い力をふりしぼってドアノブを回すのです。傍目に見ればなんてヘンテコな開け方をしているんだと思われるでしょう。
潔癖その3 他人が触ったものを食べられない
以前、まだ営業職だった頃、先輩社員の人がお客様にもらったとかでお菓子をわけてくれました。どら焼きのような和菓子だったのですが、先輩はそのどら焼きを手で2つに分けて、「ハイ!」と突然私に差し出したのです。「半分あげるよ」
面食らったのは私です。先輩の手で半分に割られたどら焼きは指の形にへこんでいました。ホントに、ホントにその親切な気持ちは嬉しいのですが、でも、ホントに、ホントに、ホントに申し訳ないですが有難迷惑でした。
とてもじゃないけど食べる気になれない。
差し出されたどら焼きを前に、わたしは一瞬、躊躇したものの、
「い、今はいいです」
と断ってしまいました。
だって食べたくないんだもん。
先輩は――すごくいい人だったのですが――気分を害したようでした。
「なんだよ、オレが触ったものは食べられないの?」
とズバリ核心を突いてきたのです。私は狼狽しました。
「い、いや、そういうわけじゃないんですが」でも実際はそういうわけなんです。触ったものは食べられない。食べたくない。
「じゃあ、いいよ、もう」と先輩は自分でそれを食べてしまいました。ホッとする私。
こういうのを、人の行為を無にする、と言うのでしょうね。ヒドイやつです。
でもしょうがないんです。
潔癖その4 ラップを多用する
私はラップ魔です。音楽じゃなくて、サラン~とかクレ~とかいうほうのラップですね。
これを発明した人はすごい。
こんなに便利なものはありません。
毎日使いまくり。もうこれなしでは生活できません。
基本的に残った食べ物にはすべてラップ。
残り物のおかず。味噌汁の鍋。余った冷奴。余ったケーキ…なんでもラップします。
なぜか?
1つには埃をかぶるのがイヤだから。
もう1つは、誰かの唾とか咳とかがふりかかるのがイヤだからです。
誰かといっても家の話ですから家族しかいません。でもイヤなんです。特に誰かが風邪をひいている時なんか。
これで父親というのですから、我ながら呆れます。恥ずかしいです。カナシイです。
でもそうなんだからしょうがない。
ラップは便利♪
そんなわけでわが家はラップがなくなるのが早い。
トイレットペーパーといい勝負です。
潔癖その5 便座にそのまま座れない
トイレットペーパーの話が出ましたので次はトイレの話を。
最近は洋式トイレのほうが多くなりました。コンビニのトイレもすべて洋式です。営業をしている頃、よく借りました。
使い方の基本。
便座には便座シートを敷きます。
これがあるところは嬉しいですね。われわれ潔癖症のことをよく分かってくださっている。
とてもじゃないですが、あの便座に直接座る気にはなりません。
だってどんな人が座っているか分からないじゃないですか。コンビニなんか特にそうです。
使い方だって中にはひどい人がいますから、便座の一部が茶色になっていることもあります。
それを見ると頭がくらくらします。ここに座らなきゃならないのか、と。
だから便座シートがあるととりあえずほっとします。
でもそんな親切なトイレばかりではありません。シートが切れている場合もあります。
そんなときはトイレットペーパーの出番です。
長めに切った紙を2つ折りにし、便座の右側と左側、ちょうど太ももが当たる位置にそろそろと置き、その上に座るのです。こうすれば直接便座と触れ合わなくて済む。
これには冷えの防止効果もあります。
冬の便座の冷たいのなんの。
油断して腰を下ろしたら飛び上がりそうになります。
思わず便意も止まる。
トイレットペーパーを敷くと少しは緩和されます。
哀しき潔癖男
とりあえず5つ書きました。でも実を言うとまだまだこんなもんじゃありません。他にもいくらでもあります。それはまた別の機会に。
これで男だっていうんですから客観的に考えると家族がかわいそうになります。こんな夫、こんな父親、誰だっていやですよね。そんな人間にうるさく怒られたり、文句を言われたりしたくない、って思うでしょう。実際その通りだと思います。すまないね。
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