小売店はなくなるの?ネットに押される小売店の現状

ショッピング

 

皆さん、ショッピングは好きですか?

 

ショッピングをするお店がなくなったら困ります…よね?

 

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目次

変わっていく環境

 

わたしは小売業の店舗で販売スタッフとして働いています。

 

48歳という年齢的なこともあり、自分自身の問題としてはもちろんのこと、販売形態としても店頭小売業は限界に近づいているように感じます。

 

大きな要因は小売業をとりまく環境の激烈な変化。

 

 

 

 

 

想像を超えるスピードでさまざまなことが変化しています。

 

ですが肝心の店頭小売業従事者は日々の仕事に追われ、自分たちを変えていくことができません。もちろんわたしもその1人です。

 

お客様の買い物スタイルも変わりました。

 

私の担当は服飾雑貨なのですが、最近、明らかにサイズを試すだけの人が増えました。

 

「ちょっと着ていいですか?」「試してもいいですか?」と言われれば、当然あれこれと商品をお出しします。

 

が、一通り着たあとにお客様は言うのです。「じゃ、検討します

 

それは着ているうちに決められなくなったというよりは、明らかに最初からここでは買う気はないけれどサイズだけは知りたい、自分に合うかどうかだけは調べておきたい、という感じの受け答えなのです。

 

で、サイズを知ってどうするのか?

 

――言うまでもありません。ネットで購入するのです。そっちのほうが安いですから。

 

店舗の売上は年々下がっています。前年割れは当たり前。

 

でもそれに対し有効な手を打てません。そもそも何が有効な手なのか分からなくなっているのです。

 

 

変わらない業務

 

催事の準備

何をやっていいか分からないから去年と同じことをやります。去年と同じ時期に同じバーゲン、同じ催事、同じフェアをやります。

 

そしてこれが店頭小売業の最大にして根本的な問題なのですが、バーゲンや催事をやるたびに莫大な量の在庫を動かさなければならないのです。というのもそのようなバーゲンや催事というのはいつもの店舗だけではなく、どこかほかに会場――多目的ホールだったりホテルだったり――を借りて行うことが多いからです。

 

これに想像を絶する労力がかかります。

 

搬入は朝の6時からスタート。スタッフは暗いうちに家を出て会場に到着、まずは搬入口に着いた大型トラックから商品を運び出します。この商品も前日までに多大な時間と労力をかけ準備したものです。

 

商品は段ボールに入れられカゴ車という大きな台車に何十台と積まれています。これをスタッフが総出で会場まで運びます。

 

じゅうたんにキズをつけないために敷かれた養生マットが1本の道路のように伸びていて、この上を何十台ものカゴ車が通って行きます。

 

小売業

 

えんえんと続く列。商品を指定された位置に置くとまだ搬入口に戻ってカゴ車を受け取ります。あとはこのくり返し。何往復もします。

 

搬入が終わるとこんどは梱包を解いて商品の陳列。完全な肉体労働です。一般的に考えられているような華やかな仕事ではまったくありません。

 

 

催事の動向は?

そしてようやく開場。準備開始から5時間後。

 

これでも売れればいいのです。売れればこれくらいの苦労は報われますから。

 

が、悲しいかな、そんなに売れないのです。

 

特に外に会場を借りて行う催事はバーゲンと違って新作中心のことが多く、安いからお客様が大勢押し寄せるというものではありません。それなりに値段が高く、ふところに余力がないと買いづらい商品であることもあります。

 

ですから日によっては閑古鳥が鳴くということも。数時間の間、立っていても1点も売れずなんてこともざら。ただ立っているだけというこの状況は心身ともに疲弊します。

 

そして会期が終了。

 

今度は撤収が待っています。疲れ切った身体で商品を再び段ボールにしまい込み、ひもでしばり、カゴ車に積み込みます。全部積み終わったら再びカゴ車を最初の搬入口までスタッフ総出で運ぶのです。

 

小売業

 

もう身体はボロボロです。皆、無言。能面のような顔つきで重いカゴ車を引きます。

 

カゴ車を引きながら、自分たちのやっていることを見ていると、思わずこんな光景が脳裏に浮かんでくるのです。

 

小売業

 

意味合いが違うかもしれませんが「資本主義の奴隷」という言葉が思い浮かびます。

 

そしてようやく夜の10時過ぎに終了。

 

結果的にどれくらい売れたかというと、目標売上にはるかに届かない数字。

 

こうして会社としては経費を使い、スタッフは心身をすり減らし、でも売上は増えないという状況はかなりヤバイと思わざるをえません。

 

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大いなる疑問

 

今、世の中はインターネットを使って個人が商品を売ることができます。アフィリエイトに代表されるさまざまな仕組みを使ってまったくの個人が、汗を流すことなく――肉体労働の汗という意味で――販売によってその報酬を得ることができるのです。

 

朝早く起きることもなく、カゴ車を引くこともなく、力仕事をすることもなく、1人でパソコンの前でそれができてしまう時代なのです。

 

なんという変化!

 

にもかかわらず、私たちがやっているこの仕事は何でしょう?

 

準備から合わせれば何十時間もの時間と労力をかけて催事を行って、その催事が大して売れないときてる。

 

もちろん、スタッフの給料が増えるなんてことはありえません。多少売れたって同じ。いつまでたっても何も変わらないのです。

 

これはいったい何なんだろう?

 

こんなことを続けていていいんだろうか?

 

続けた先には何があるんだろうか?

 

そう思わざるをえません。

 

店頭小売業の未来は?

 

昔のようによく売れた時代ならともかく、今は小売業のイメージもよくありません。

 

人も離れていきます。

 

 

ネットを見ていたら恐ろしい記事を見つけてしまいました。

 

 

数十年前、これらアメリカの大手小売店は日本の企業のお手本とされていました。が、もはや見る影もありません。

 

これは対岸の火事ではありません。

 

右肩下がりを続ける売上はもちろんのこと、上に書いたような旧態依然とした前年踏襲の仕事をしている限り、店頭小売業の先行きは暗いです。

 

生き残るためには何か仕組みを大きく変える必要がある。

 

でもどうしたらいいのでしょうか?

 

世の中のすべての小売店が消えることはないでしょう。そんなことになったら困る人だっているはずです。

 

今後、単純労働はAIにとって替わられるといわれています。販売もその一つなのでしょう。カゴ車を動かすのなんてロボットで十分ですし。

 

そのとき残っているのはどんなお店なのでしょうか?

 

最近のように、試着だけされるショールーム化がこれ以上進めば小売店の今後は厳しいです。

 

あとは、いっそのこと試着品を有料で借りてもらう「サンプルデパート」とか「サンプルスーパー」化していくとかでしょうか。それだと100%販売員は不要になります。

 

やはり最後は自分自身に、他の人ではできないようなスキルをつけておくしかありません。自分の強みを把握しておくことも大事ですね。

 

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2 件のコメント

  • こんにちは。
    私も小売店従業員ですから他人事ではありません。
    アパレルではないにしろ、物の売り買いという点で状況は全く同じです。
    現場の人間がどう努力した所で、旧態依然とした状態を改革しない限り、何も変わりません。
    数字が伸びる事はほぼないでしょう。
    営業する事が無駄です。
    今後、「第4次産業革命」が起こった時、国内の小売業はほぼ壊滅するでしょうね。
    個人経営店はこういう時、案外大丈夫そうですが。
    あの堀江貴文氏の意見も時々正鵠を得ています。
    結局、ITの発達に伴う機械化と合理化を今から性急にやらなければ、日本の小売業界に未来はないというのが私の結論です。
    時代の変化の中で、私個人にできる事は、まずないでしょうね。
    こういう人が世の中には多いと思います。
    ベーシックインカムが導入されて、最低限の暮らしが立つ事を祈るばかりです。

    • コメントありがとうございます!
      小売店はとにかくお客様にお店に来てもらわないことには基本となる仕事すらできません。
      でも最近はお客様がとみに少なくなっています。私のいるお店でも、お客様が来ないと大の大人が何人も手持ち無沙汰に立っているだけという状態です。私もその中の1人なのですが、その様子を見ていると、将来的にはこの仕事は必要がなくなっていくと感じざるをえません。
      「第4次産業革命」、小売業には戦々恐々ですね。

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