強迫性障害気味のぼくがバスに乗りたくない理由

晴なら自転車、雨ならバス、なんだけど

 

わたしの家は駅から歩いて30分くらいのところにある。

基本、自転車。

自転車はいい。

バス停でいつも遅れてくるバスをイライラしながら待つ必要もないし、混みあうバスに我慢して乗っている必要もない。

駅までの時間だってバスより速い。

暑い寒いはあるけれど、それくらいどうってことない。気分は爽快。

 

 

だけれども。

さすがに雨の日は乗れない。

さすがにカッパを着てまで自転車には乗らない。

やったことはあるけど、駐輪場で着替えるのが大変すぎる。

時間がかかる上にけっこう濡れる。

うまく着替えられなくてイライラしてくる。

帰りならまだしも、行きにそんなことしていたら遅刻しかねないし、精神的にもよくない。

だから雨の日は自転車をあきらめる。

自転車をあきらめるということは、つまり、バスに乗るということだ。

バスに乗るのはユーウツだ。

バスに乗ると気分が乱される。

イヤーな気持ちになる。

だから乗りたくない。

他の人はそんなことないのかもしれない。

でもわたしはダメだ。

それはたぶん、強迫性障害の気があるからだと最近分かってきた。

普通の人があまり気にならないようなことがものすごく気になるのだ。

気になった挙句、腹まで立ってくる。

それは単に歳をとったせいかとも思っていた。何せ48歳だからね。

でもどうもそればかりでもないらしい。

バスに乗ると何が気になるのか?

何がイヤなのか?

それはマナーの悪い人を見るのがイヤなのだ。マナーのできていない人と遭遇するのがイヤなのだ。

 

バスで目にしたくないけどよくある光景

 

どんなことかって?

いくつかある。

まず第一に、

空いた2人席の通路側に座る人

を見たくない。

そりゃ確かにすいているときもある。

乗る人が少ないから別に窓側に詰めなくてもよさそうなときもある。

すいているときは、そういう人を見ても極力気にしないようにしている。

でも、

バスが混んできてもそのまま。

近くに立っている人がいるのに素知らぬふうで通路側に座り続けている。

その人にすればもしかしたら、窓際の席は空いているんだから座りたきゃどうぞ、てなことなのかもしれない。私の前を通って座ってもらってけっこう、と。

でも、実際、その状態だと座りにくいよね?言い出しにくいよね?わたしから見るとそれはその人の身勝手さか、あるいは単なるマナー違反にしか見えない。

でもこんなこと、普通の人はさほど気にならないのかもしれない。よくあることだし。

でもわたしはすごーく気になる。

気になるを通りこして腹がたってくる。

ハリ扇で頭をひっぱたきたくなる。

やおらガタッと立ち上がり、ハリ扇で頭をひっぱたき、相手が驚いて振り向いたら、こう叫ぶ。

オメーは席2人分金払ってんのかっ!?

…いきなりこんなけんか腰の言い方はよくないし、訴える内容がこれでいいのかどうかは疑問の余地があるけれど、とにかく、席を1人で占領していることが許せない。

 

もう1つ、似たようなパターン。

『2人席に座って荷物をどっかと隣に置く人』

当然、これも1人しか座れなくなる。

このテの人はほとんど、混んできても荷物はそのままにしている。

わたしゃこんな大きな荷物をもってるんだ、文句あっか。

とその背中が言っているようだ。

これも同じくハリ扇でひっぱたきたくなる。

そうじゃねーんだと。

足元に置けよと。

そしてまたやおら立ち上がり、音も激しくハリ扇を振り下ろし、驚愕の顔で見上げるその人にこう言う。

オメーの荷物は金払ってんのか、ああ?!

内容が毎回、金に絡んでいるのがどうもよろしくないがしょうがない。

とにかく、2人席を1人でわがもの顔に座っているのが許せないのである。

 

 

でもこれが現実

 

ガマンならないが、実際にハリ扇を振るうわけではない。実際に大声を出すわけではない。

実際のところはガマンするしかない。

口にするほどの勇気はないからだ。

そしてメンドクサイことにその勇気がない自分に腹が立ってくる

オメーはそんなことも言えないのか!

この根性なし!

口だけ男!

小心者!

だからオメーはいつまでたっても安月給なんだよ!

と、ここでもなぜか金に絡むことで自分を責める。

でも、と思う。

オレが一体何か悪いことしたのか?

オレが悪いのか?

どうして何もしていないオレがこんなに苦しまなきゃならないんだ?

元はと言えば悪いのはアイツだろ?(と2人席に1人で座っている輩を見る)

悪いのはアイツなのになぜオレが苦しまなきゃならない?

それっておかしくね?

こんな考えが次から次へと生まれてくる。

そしてわたしはその考えに翻弄され、バスの中、1人で消耗していく。降りるころにはグッタリと疲れている。

だからバスはイヤなのだ。

自転車なら考える必要のないことまで考えなきゃならなくなる。

 

 

背後から突然

 

まだある。

これはおもに冬の話。

座れた~、と思ってホッとしているのもつかの間、自分の後ろに座っているのが風邪っぴきだった時。

ゴホッ!

と、一発咳をされた瞬間、ああ、この席は失敗だったと思う。

よりによって風邪ひき野郎の前に座ってしまったとすごくイヤな気持ちになる。

よく見なかったけれど、たしかマスクもしていなかったナと考える。これは危険なパターンだ。

予想通り、その風邪っぴき野郎は容赦ない。

ゴホッ!ゴホッ!ゴホゴホゴホっ!

とわたしの後頭部に立て続けに咳を浴びせ続ける。

咳の空気でわたしのささやかな後頭部の髪の毛がそよぐ気さえする。

おのれ~!

わたしはやおら立ち上がり、振り向きざま、ハリ扇でそいつの頭をぶっ叩く。

オメーは咳エチケットというものを知らんのかァ!

ボーゼンとするそいつにわたしはたたみかける。

「咳エチケットというのはなァ!咳をするとき手で口を押えるんだよ、手で・お・さ・え・る・の!そんなことも知らんのか!バカヤローッ!!!」

…なんて言えたらどんなに気持ちがいいだろう。

これも結局、空想の中だけだ。

実際はそいつの咳を後頭部に浴びながら、ウイルスを吸い込まないようにできるだけ呼吸を小さくし、早く駅に着いてくれ、早く駅に着いてくれ、早くぼくをここから開放してくれと願うばかり。

そして降りるころにはやっぱりヘトヘトになっている。

だからバスはイヤなのだ。

 

 

最大級のイヤなこと

 

こんなことは日常茶飯事。

 

もっとヒドイことだってある。

以前、こんなことがあった。

2人席に1人で座っている若い女性が、突然、爪を切り始めたのである。

信じられない光景だった。

パチン、パチン、パチンとバスの中に響き渡る爪切りの音。

よっぽど頭からバケツで水をぶっかけてやろうかと思った。

普通、バスの中で爪切らないだろう。

一体どういう神経してるんだ。

「バスで爪切ってんじゃねーよ!」

と言うべきだと思った。もう少し紳士的に「バスで爪切るの、やめましょうよ」と言えばいい。でも…

正義のココロがわたしに語りかけてくる。

ホラ、オメーも許せないと思ってんだろ?

頭にきてるんだろ?

自分が言おうとしていることは正しいことだと思ってるんだろ?まわりの人だってきっと迷惑してると思ってるんだろ?

だったら言えよ。

ホラ、言えよ。

ホラ!

と。

さすがにわたしも言いたかった。だってこれ、ヒドすぎんじゃん。

…でも言えなかった。

そしてそれは最悪の光景で最後を迎えたのだ。

バスが終点に着くのと同時くらいに爪を切り終わったその女性は、爪切りの中に貯まった爪を、あろうことか、床にバラバラと捨ててバスを降りていったのである。

ありえない光景だった。

怒りで身体中の血液が逆流するような気がした。

バスを降り、駅に向かい、ホームで電車を待っている間もそのことが頭からはなれなかった。

その女性、いやその大バカヤローに腹を立てていると同時に、何も言えなかった自分にも腹を立てていた。

そしてまた空想の中だけで、敢然と注意をする自分のことを思い浮かべ、でも当たり前だが、そこからは何も生まれず、ただただ疲弊するだけの、不毛な時間を過ごした。

 

 

 

だからバスはイヤなんだ。

1日の最初にそんなことを考えたくないもんね。

電車でも似たようなことはあるけれど、バスのほうがそんなことを感じることが多いのは、電車よりも閉ざされた場所だからなのかな。

 

 

だからわたしはいつも思っている。

会社に行く日は晴れていてほしいって。少なくとも雨が降らないでほしいって。

 

 

 

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