「学校に行きたくない」
自分の子どもからそう言われるとドキッとしませんか?
学校でなんかあったのか?って。
いじめとかいろいろあるから気になるじゃないですか。ひょっとしてウチの子も?って。
今まではそんなことなかったのですが、ウチの中二のバカムスコも、先月くらいからそんなことを口にするようになりました。
目次
学校に行きたくない14歳
「学校行きたくない」
「学校やだなー」
最初そういうことを言い出した時、父親の僕はついつい聞き返してしまいました。「何で?」「何がいやなの?」
でも返事はありません。何も答えません。
言うことといえば、「学校行きたくない」。
なんだか分かりません。すごくイヤなことがあるのか、それともなんとなくイヤなのか。
もともと学校生活に積極的なタイプではありません。どちらかというと受け身。親に似てしまったのかもしれません。野球部に入っているけど野球をするのが大好きというようにも見えない。休日の練習もイヤだって言ってるし。
勉強も嫌い。家ではスマホばっかり見ている。話しかけても上の空。
そこへやってきた「学校行きたくない」。
行きたくない理由の探りようがありません。
「行きなさい」とは言わない
毎朝そんなことを言われると、時として言いたくなる時もあります。
「そんなこと言ってても行くしかないんだから腹決めて行け!」
でも、さすがにそれは言いません。
行きたくないという相手に行けとは言わない。
ただ相手の気持ちに寄り添うこと。
それは今までに読んだ本に教えられました。そういう時は「行きなさい」というのではなく、相手の言葉を反復してあげること。
だから最近の僕とムスコの朝の会話はいつもこうです。
ムスコ「学校行きたくない」
僕「学校行きたくないんだ」
ムスコ「学校やだなー」
僕「学校いやなんだ」
これだけです。いつも。毎日。
それ以上はムスコも何も言いません。黙ってそのまま玄関に向かいます。
推測ですが、これだけでも、ムスコの心の中には気持ちを聞いてくれたということは残っているのではないかと。
こんなとき、上から「行け」「行きなさい」と言われても反発したくなるし、悲しくなるだけ。
でも共感――といえるかどうかは分からないけど――してくれるだけで少し気持ちがすっきりすることだってありますよね。
会社に行きたくない49歳
僕がムスコに「行け」「行きなさい」と言わないのはひとつは本を読んでそう教えられたからということもあるけれど、それ以外にも大きな理由があるんです。
それは、僕自身が会社に行きたくないから。
はっきり言って、めちゃくちゃ行きたくない。
そのわけはここには書かないけど、とにかく行きたくない。
昔からどちらかというと行きたくないタイプでした。でもここまで気持ちが高じてきたのは初めて。本当に会社に行くことを考えると息苦しくなります。会社にいる間も同じで、いる時間ずっとしんどい。
49歳にもなって何言ってるんだと自分でも思います。でもしょうがない。
だから、
そんな僕が「学校に行きたくない」というムスコに向かって「行け」なんて言えるわけがないんです。「行きなさい」なんて言えるわけがない。
だってもし僕が今、「会社に行きたくない」という気持ちを誰かに伝えて、その返事が「行くしかないんだから腹決めて行け」だったらものすごく失望すると思う。
だってそんなこと分かってんじゃん。分かってても口にしたくなることだってあるわけじゃん。
そんな時に帰ってきた答えが「行くしかないんだから行きなさい」だったらすごくがっかりするよね。そしてすごく悲しくなる。
もう二度とこの人にこんなこと言わないと心の中で思うよ。絶対。
だからムスコにも言わない。
ただ、「学校行きたくないんだ」と返すだけ。
それは僕が「会社行きたくないんだ」と受け止めてもらえば少しは気持ちが楽になるかもしれないというのと同じ。たぶん。言ったことないから分からないけど。
誰だって自分の気持ちを受けいれてほしいんだよね。