- 革靴を買っても長持ちしない
- 仕事で履く革靴がくたびれているように感じる
- 靴磨きをしたいけどどうやっていいのか分からない
そんな悩みを持っているあなたに、今回は靴磨きの基本とおすすめの道具をお伝えします。
革靴はちょっとお手入れをしてあげるだけで驚くほどきれいになるし、長持ちするようになりますよ!
目次
革靴の手入れをしている人は少ない
靴に携わる仕事をしているので駅や電車の中で人の靴を見るのが癖になっているんですが、きちんと手入れをしている人は意外に少ないです。
汚れがついたまま履いていたり、つま先や甲の部分の色がかすれていたり、ちょっとくたびれた感じのまま履いている人が多い。
せっかくいいものを買ってもそれでは靴が泣きます。
確かに分からないでもないんです。みんな仕事で疲れているし、靴のことまでかまっていられない。家に帰ったら足でぐいぐいと脱いでそのまま玄関にポンッ…ってなっちゃいますよね。
休みの日だって靴のお手入れなんてそんな面倒なことやってられっかい!という気持ちになるのも分かります。
でもそれだと革が痛んでしまい、結果、靴も長持ちしなくなってしまうんです。
少し手入れするだけでずいぶん変わる
革靴は――合成皮革でないかぎり――少し手入れしてあげるだけで見違えるようになります。靴クリームで適度な水分や栄養を与えてあげることで革は生き返ったようになります。
ツヤも出てくるし、革の状態もよくなる。ひいてはそれが長持ちすることにもつながります。
そもそもなぜ靴を磨くのか?
最近読んだ本の中にこんな一節がありました。
「トニー君、靴だけはちゃんとしたものを履かないといけないよ」
これはこの本の著者に対して大富豪と呼ばれる人が言ったセリフです。
靴に関して言えば、一流の場では相手を値踏みするときの判断材料になっているので、お金をかけます。
「相手を値踏みする」というのはあまりいいことじゃありませんが、でも靴は見ている人は見ています。
ここでは「お金をかけます」と書かれていますが、別に高価なものじゃなくてもいいんです。ただそれがきちんと磨かれていればどんな靴でもいいんです。
靴磨きの基本的な方法
そうはいっても磨き方がよく分からないんだよねという人もいるでしょう。ですのでここでは靴の磨き方の基本とそのときに使う道具をご紹介します。
難しいことは何もありません。順序はこうです。
- 馬毛ブラシで靴に着いた汚れや埃をとる
- クリーナーで汚れ、古い靴クリームを落とす
- 靴クリームをぬる
- 豚毛ブラシで磨く
- クロスで仕上げをする
これだけです。簡単でしょ?
以下で簡単な説明と初めての方へのおすすめグッズをご紹介します。
1.馬毛ブラシで埃をとる
まず馬毛ブラシで靴についた汚れや埃を取り除きます。馬毛の特徴は柔らかいこと。
ブラシには大小さまざまな大きさのものがあります。大きすぎるものは必要ありませんが、携帯用のようなあまりに小さいものだとブラッシングが大変なのである程度の大きさがあるものがいいでしょう。12~13㎝くらいかな。
【おすすめはこれ!】
2.クリーナーで汚れを落とす
靴は一見きれいなようで実は見えない汚れがついていることがあります。また古い靴クリームも残っているのでできれば一度落としてしまったほうがいいです。
これは化粧のクレンジングと同じで、いったん革を素の状態にしてからのほうがクリームの乗りがよくなるというわけですね。
布の切れ端にクリーナーをしみこませ靴を全体的に拭きます。クリームが落ちると革の表面がマットな感じになり、すぐに分かります。
【おすすめはこれ!】
3.靴クリームをぬる
こんなブラシがあればいいですがなくてもかまいません。布の切れ端でも大丈夫です。
注意する点はクリームをつけすぎないこと。
つけすぎると伸ばしきれず、表面がベタっとした感じになります。
片方の靴に米粒2,3粒分くらい。チョンチョンとつけ、それをブラシや布でうすく伸ばす。
おすすめの靴クリーム
チューブタイプはおすすめしません。油性のタイプが多く、ぬったあとに表面が固くなり、場合によっては割れてくる恐れがあります。できれば瓶に入ったタイプを使用してください。
色は黒の靴なら黒を。茶色の靴ならそれに合わせた色のクリームを使います。
【おすすめはこれ!】
ただ茶色は色合わせが難しいとか、合いそうな色が分からないということもあります。そういう場合は無色の「ニュートラル」を使えばOKです。これならどんな色の靴にも使えます。
それぞれ2種類紹介しました。違いはサフィールはシアバターを使っていること。
シアバターは化粧品に使われることも多く、天然成分で革にやさしいです。匂いもコロンブスのクリームのような石油系の匂いではありません。
上記の値段はサフィールは2,000円、コロンブスは1,000円。
靴磨きに関してはコロンブスのクリームでも何の問題もありませんが、さらに革にやさしいものを使いたいという人にはサフィールをおすすめします。
4.豚毛ブラシをかける
クリームをぬり終わったら次にブラシをかけます。このとき使うのは豚毛ブラシ。あるいは化繊のものでもかまいません。馬毛ブラシと違ってやや固めで腰があります。
豚毛ブラシをかけることでクリームが靴に馴染み、栄養分や色が革に入っていきます。シャッシャッシャッシャッとリズムよくブラッシングしてください。次第に革にツヤが出てくるのが分かるはずです。
【おすすめはこれ!】
5.クロスで仕上げ
ブラッシングが終わったら最後にクロスで磨いて仕上げに入ります。これはブラシでは取れなかった細部のクリームを拭きとったり、よりツヤを出すのが目的です。
【おすすめはこれ!】
6.防水スプレーをかける(必要に応じて)
どうせ雨の前にはかけるのですから防水スプレーをこの場でかけておいてもかまいません。雨対策だけでなく、ちょっとした汚れよけにもなります。
ただ防水スプレーをかけるとせっかく磨いてピカピカにした靴が少し曇ってしまうこともありますのでご注意を。
あと革の表面がピッカピカのガラス加工の靴は防水スプレーで曇ります。こちらはもともとある程度は水をはじくので、特に買ったばかりのときはスプレーの必要はありません。
細かいことを言えば、磨くときにシューキーパーを入れておくとか、靴ひもはほどいておくとか、いろいろ面倒くさいこともあるのですが、初めての人はそこまでやる必要はありません。これだけやっておけばじゅうぶんです。
まとめ
いかがでしたでょうか?ささっとやれば20分くらいでできると思います。
靴を磨いておくことといいことがあります。
- 背筋が伸びる
- ややラフな洋服を着ていても全体が締まる
きれいに磨かれた靴を履いていると自然に背筋が伸びます。また、高価な服を着ていなくても靴がきれいに磨かれていると全体がよく見えます。先の大富豪の人たちもきっと体験的にそういうことを知っていたのでしょうね。
ということで、もし時間があるのなら、次の休みの日に靴を磨いてみてはいかがでしょうか?
やってみると分かりますが、靴磨きをしていると無心になれます。磨いている間は何も考えません。そして見違えるようになった自分の靴を眺めるのはまんざらでもありません。
靴磨きをきっかけに靴にハマる人もいます。モノを磨いてきれいにするというのは精神衛生上も効果があることなのでぜひやってみてください。