言われたことありませんか?
「オレが怒ってんのはな、お前のためを思ってるからなんだぞ?」
「お前のことを心配してるからこそこんなに厳しいことも言うんだぞ?」
さすがにこんな見え透いた言い方をする上司は少なくなってきたかもしれませんが、場所によってはまだ耳にすることもあるでしょう。
まさか、真に受けたりしていないでしょうね?ダメですよ、そのまま信じちゃったら。
その理由を説明します。
目次
お前のために言っている、を信じてはいけない3つの理由
このセリフが発せられるときというのはたいてい上司が部下を叱るときです。でも叱る時にこの言葉って必要ですか?
本当にあなたのことを思ってくれている上司はそんなこと言わない
本当に部下のことを思っている人、部下の成長を考えている人はわざわざそんなこと言いません。だって必要ないですから。
であれば「お前のためを思って言ってんだぞ?」なんて言葉が必要ですか?必要ありません。逆に気持ち悪いわw
私も過去に営業を25年間続けてきたので様々な上司に仕えました。いい上司がいればイヤな上司もいました。心をズタズタにしてくれた上司もいます。
でも、この人は尊敬できるという上司は「お前のためを思って」なんてこと一度も口にしたことがありません。叱る時にはその叱るべきポイントだけを叱りました。それで用は足りますよね?
あなたに言っているようで実は自分自身に対して言ってるだけ
じゃあなぜその上司はそんなことを口にするのか。必要のないことをわざわざ大上段に振りかざして口に出すのか。
言うまでもありません。
それは部下であるあなたに対して言っているのではなく、自分自身に対して言っているのです。
試しにそれを口にしている時の上司の顔を見てください。きっと自分に陶酔した顔つきになっています。
”ああ、オレは今、部下のことを思ってこんなことを言ってるんだ”
”部下であるコイツのことを考えているからこそこんなキツイことも言うんだ”
”コイツの成長を願っているからこそこんな言いたくないことも言ってるんだ。コイツのことを思っているからこそ――ああ”
あんまり長く見なくてけっこうです。夢に出てきますよ。
叱るにあたって言う必要のないことを言う理由の一つはこれです。
自己陶酔、あるいは自己正当化。
この言葉ほど相手の口をふさぐセリフはないですからね。こう言うことで自分が言っていることが正当化され、かつ相手の心に無理やり突っ込むことができるのです。オレの言うことをそのまま黙って受け入れろと。
大勢の中で言うのはまわりへのアピール
これを1対1の場ではなく、まわりに他の人がいるところでやる上司はさらに注意です。演歌の握りこぶしじゃないですが、
なんてデカい声でやる上司はもう完全アウト。その上司の心の中はこうなっています。
あなたのことを考えている
<
自分に酔っている
<
「部下思いのオレ」のアピール
この時点でこの人の頭にはあなたのことはありません。あるのはまわりへのアピールのみ。オレってこんなに部下のことを考えているんだよぉおぉおぉ…!
そもそも叱ること自体、大勢の人の前でやるべきではないのに、それを堂々とやりつつ、かつ部下思いであることをまわりに知らしめようとする人は絶対に相手のことを考えてなんていません。
真面目な人ほど信じやすい
このセリフが危険なのはこれを真に受ける人がいるからです。特に真面目な人ほど信じてしまいやすい。真面目な人は自己啓発の本なんかをよく読んでいますからね。その手の本にはよく書いてあるのです。
- ものごとは常に前向きにとらえましょう
- 叱られてイヤだと思うのではなく、あなたのことを思っているからこそ叱るのだと考えましょう
- だから叱られたことも自分の成長の糧にしましょう
そのこと自体は否定しません。前向きにとらえることは大事です。実際、きちんとした叱り方をしてくれる上司もいますしね、少ないけど。
でも真面目な人が陥りやすいのはこれを100%信じてしまうこと。
”そうか、この人が怒っているのは僕のことを考えてくれているからなんだ”
”こんなにひどい言い方をするのも僕の成長を願ってくれているからなんだ”
”バカ野郎、ふざけんなっていうのも愛のムチなんだ。これを成長の糧にしなきゃ”
それ違います。
特にバカ野郎、ふざけんな、が出てきたらそれは愛のムチではありません。そう考えるのはただの無知です。もう完全にその上司の憂さ晴らし。自分を守るため、さっさと見切りをつけましょう。
話半分で聞いておく
そうか、この人は僕のことを思ってるからこそこんな厳しいことも言ってくれるんだな。
と考えてしまうのが危険なのは、
上司 = 100%正しい
自分 = 100%間違っている
という思考に陥りかねないこと。
自分のためを思って言ってくれている相手が100%正しいとなれば、それに反している、あるいはその通りにできない自分は100%間違っているという結論になりかねません。
当時の上司が「お前のためを思ってるからこそ」と言ったわけではありませんが、でも怒られることはすべて上司の言うことが正しいと真面目一辺倒の私は思っていました。そして次第に顔色が悪くなっていったのです。
大事なのはこれです。
「お前のためを思って」という上司の言うことは話半分で聞くこと。
100%正しいなんて思っちゃダメ。せいぜい50%くらいの気持ちで聞いていればいいです。だってただの劇場なんですから。
もう少しがまんしたら上司が替わる、というのならそれまで耐えるのも手ですが、そうでないのなら、自分を守るための行動を少しづつ開始するべき。
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ゴールが見えないまま消耗していくだけの毎日では何のための人生か分かりません。何年もたってからそのことを後悔する日が来ます。
わたしも経験したから分かりますが、仕事は環境や上司によって大きく変わります。いい上司の下でなら、しっかりと仕事に向き合うこともできます。
行動することで人生は変えることができるので、もしあなたがいま「お前のためを思って・・・!」という上司のもとで苦しんでいるのなら、少しだけ行動を開始してみてください。
パワハラ上司からは全力で逃げるべき
「お前のためを思って」という言葉には何かしら欺瞞めいたものを感じます。
たぶん、この言葉を使う上司は9割がパワハラ系ですよね?
もしあまりにひどい上司であれば全力で逃げるべきです。
すごくいい人だったのに、次に会ったときには生気がなくなったようになっていて、話すのがつらかったことを覚えています。
はっきりいってそんな上司はもはや人間じゃないです。本当にただのクソです。
そんなクソに人生を狂わせられるというのはどう考えても絶対におかしいですから、もしあなたがそんな状態にあるというのなら、今すぐにでも逃げるべきです。逃げても何の責任もありません。